高2の夏休みにちのと映画にいく約束をし
前売り券まで買って準備万端だったボクは
その日までの
一月半は
浮かれっぱなし
中学の頃本当にいやな想いをしたぶん
うれしさがこみ上げてくる
この一月半はとても短い
ちのとのデートの日が待ち遠しくて
ほとんど眠れなかったのだけど
眠ってしまうと実は夢でした
なんてことが起こりそうで
眠っていたくなかった
あと3週間
2週間
1週間
期間が短くなるごとに
浮かれぐあいは頂点に達した
この期間は
学校が終わるとそそくさと家に帰って
夏休みの計画について検討中だ
カレンダーを眺め
チケットを眺め
にこにこにこにこ~
ボクらは付き合っていたわけではないが
その一歩を踏み出した
少なくともボクはそう感じていた
「夏休み中にちのを彼女にするぞ~~~♪」
と気合十分だった
デート中何をしようかはボク一人で考えた
友達にちののことを話したところで
友達はちのという存在を知らない
ちのは特別なボクの一部のような存在だったから
誰にも知られたくなかったのかもしれない
ボクは好きな人に対しては
自分の一部のように感じているのかもしれない
ちのと夏休みの約束をした後は
何をしても手につかなかった
だけど、、、とても幸せだった
夏休み前のテストは
赤点のオンパレード
普段だったら
きっと
へこんでいたのだろうけど
このときは
普段以上の恋愛命モード
ま、いっか~コレくらいじゃ死なないからね~
という勢いだった
何も怖くなかった
少し先の未来に
幸せの約束が生きているのだから
多少のつらさなんて屁にも思わない
そんな感じで
いよいよ夏休み
夏休みのあの日の数日前
ボクはまたちのに
電話をし
映画を見に行く日の話を切り出した
すると、、、ちのは
少し機嫌が悪そうだ
時々ちのは怒り狂うときがある
どうやらその日っぽかった・・・・。
なんとも間の悪い・・・。
気がつかないボクは
すぐに映画の話を切り出した
ちのの回答は
「え・・・・?その日約束したっけ?」
「え・・・・・?」
ボクは固まった
「え、、、映画・・・・・」
「その日は、友達と約束があるから他の人と行ってよ」
そう強く言われ
どうしてもちのと一緒に行きたいボクは・・・
ボクは言い返す
「じゃ別の日に行こうよ」
思うようにことが運ばなかったときの
男はしつこいし未練がましい
「ちのと行きたいしさ~~~~」
そういうボクに
少し不機嫌になったちのは
「他の人と行ってよ!」
・・・・・結構、強く怒鳴られた
このときのちのには何を言っても無駄
と、いうよりも
このとき
ボクは
遠回りにフラれたのかもしれない
当時のボクは
映画のチョイスが悪かったのと
ちのの部活の大会が近かったこともあって
反省した
ぴりぴりしているちのに気を使わせては
集中できなくなるから・・・。
「ブチッ!」
「ツー・・・・ツー・・・・ツー・・・・」
電話の後
ボクはしばらく呆然と立ち尽くした
・・・・・ドタキャン・・・・・
それから
あのチケットを見つめた
一時間は見つめていただろう
ちのが行かないのならボクも行かない
どうせ他のヤツと行ったってつまらない
もう、ちのと行くという頭だったのだから
ボクは映画のチケットを処分した
びりびりに破きゴミ箱へ・・・
その後の
ちのからのフォローはない
ちのはこういう友人関係においては
敵をつくりやすい女だ
その夏休み
ボクは友達と遊びに行くこともなかった
行くところもない
友達が誘ってくれた日はもう断り済みだった
いまさら「空きました」と言うわけにもいかない
ボクはただ、学校の宿題を済ませ
それから
暇なボクは
一人で海に行き
海を眺め
帰ってくる
むなしい日々の繰り返し
夏休みは、長かった・・・。
本当に。
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